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アメリカ宗教事情

英語の記事を訳しています

トランプ就任演説にいた富の福音説教師について

以下は2017年1月16日にJ. K. McKenna博士がHuffington Postに投稿したGospel of Wealth Preachers At Inauguration | The Huffington Postの訳文です。

 

すみませんが、この記事はあまりにもよくできた話です。しかしまた、富の福音というのも、あまりにもよくできている話なのです。

 

富の福音の提唱者である男女二人の説教師がトランプ氏の大統領就任式で祈りをささげる予定です。富が神による祝福の証だと信じる多くの非常に裕福なアメリカプロテスタント説教師のうちの二人です。裕福になればなるほど、あなたはより神に祝福されている。そして神はあなたが裕福になることを望んでいる。これが富の福音の教えです。

富の福音は聖書を味方につけているのです。ほとんどの人は知らないけれど、イエスは裕福な男だったのです。その証拠となるテキストをみてみましょう。

  • イエスは乳児の時、旅する華やかなペルシア人の博士たちから金を授けられた。マリアとヨハネが賢く金塊を投資していたので、イエスが数十年後に巡回説教を始めるまでには、イエスはかなりの富を有していた(今日で大体1000億ドルにあたる)。
  • イエスがパレスチナで旅を始めようとしたとき、悪魔がイエスを躓かせようと、世界中の宝石をイエスに与えようとした。しかし、イエスは世界中の宝石を買おうと思えば難なく買えることができたので、簡単に誘惑に打ち勝つことができた。
  • イエスは徴税人と友人になろうと格別に努力した。彼の税率区分を最低限に収めるための賢い戦略だった。しかし、イエスは羊飼いの田舎者たちには法外な税を快く払うように勧めた。徴税人であったマタイを十二人の取締役会のメンバーに加えたことはイエスの見事な手腕の一つである。[注:12使徒のことを富の福音は取締役会のようなものと考えているらしい]
  • イエスはぶどう酒売りであり、また第一級のソムリエであった。結婚式やバル・ミツワー[注:ユダヤ教で成人に達したことを祝う儀式]にふさわしい高品質なワインを大樽何個分も作り出した。
  • イエスの素晴らしい雄弁さ―誤りのない語法、発音、そして例え話における天賦の才能―は選ばれた者のみが通える高額な学費のローマ学校の[教育の]賜物であった。その学校ではイエスはローマのエリートの子供たちと親交を深めていた。
  • イエスはシェフの一団と旅をしており、数千人の彼の信奉者がガリラヤの山上の屋外で食事をすることを強く主張したとき、彼らに楽々と魚介類とステーキのコースメニューを与えることができた。残った食べ物はその都度集められ、近隣の村のホームレスや放浪者に与えらえた。
  • イエスはスズキとマスの市場を独占した。なぜなら、彼は間違えることなく、友人の漁船の近くに魚の群れがきたときに気付くことができたからである。
  • 彼の家があるナザレの集落でセプオリス(Sepphoris)[注:ナザレの北西部、ガリラヤ湖の西側に位置した町]を見渡すことのできる段差のある階層構造の邸宅を丘に建設したのに加えて、イエスはカペナウムのガリラヤ湖の水辺の土地や、ポンテオ・ピラトの夏の住まいからあまり遠くないところの、カイサリアの地中海に面するビーチの前の土地を購入した。どちらの土地にも、イエスはファビュラスな家を建て、最も優秀な商人を雇い最も優れた素材を使い、たくさんの旅行の中でこれらの家々を行ったり来たりした。カイサリアのビーチハウスには20000以上の石灰華のタイルを使用していた。そしてカペナウムの家は輸入した杉と陶磁器で作った。覚えておかなければいけないのは、カペナウムの家で失礼な労働者が担架を運べるようなサイズの穴を屋根と天井に空けてもこれっぽっちもイエスは嫌な顔をしなかったことである。イエスは簡単に修理の費用を負担することができた。また、カペナウムの家では、イエスは大きなボートを保有していて、彼はよく友達をつれて、たとえ荒れ模様の天気でも冒険の航海へと出かけた。
  • イエスはある女がとても高価な香油を彼に注いでも気にしなかった。実際、彼はその香油のブランドに通じていて、その価値を知っていたようである。
  • イエスはかつて、彼の12人の取締役会に、「狐」として知られるヘロド王にイエスがこれから何をするつもりか伝えるように言った。王は古い家族ぐるみの友達で、イエスの父ヨセフのお気に入りで、少年だったイエスはヘロドに「狐」というニックネームを付けた。
  • イエスは彼の十二人の取締役会のメンバーに金、つまり現金を持ち歩かないようにアドバイスした。イエスはどこでもとても裕福であったため、現金を持ち歩かずにいた。実際そのため、ポケットに小銭がなかったため、皇帝の印が入ったデナリウス銀貨コインを貸してくれと頼まなければならないことがあった。
  • 有名な話だが、イエスは、狐には穴があり、空の鳥には巣があるが、自分には枕する所もない[注:英語ではhe had Nowhere to lay his head]といった。Nowhereというのは、西の端にあるしゃれたイェルサレムのホテルの名前である。
  • イエスが思いあがった占有者を神殿 [原文だとTemple franchises]から追い出そうとしたのは、所有権に関する論争のためだった。
  • イエスは彼の十二人の取締役会のメンバーのために、高級なイェルサレムの建物の、シックな上層階で、最後の豪勢な食事会を開いた。
  • イエスは彼の多くの信奉者に大邸宅を与えることを約束し、そのような計画に必要な費用にひるむことはなかった。
  • 生涯を通して、イエスは高級な服や靴を着ていた。彼のサンダルは二回なめし加工をされ、三回保存処理されたラクダの革製で、彼のガリラヤ湖上の散歩で示唆されているように、ウォータープルーフであった―もしくは、耐水性があった。 彼のチュニック[下着]は縫い目のないエジプトのコットンで、それについて全てのパレスチナ人は嫉妬した。このことは、何人かのローマ兵士がイエスの服を手に入れるためにくじを引いたことからも確かである。マルコは、イエスの逮捕を思い出し、兵士はイエスを紫のローブで盛装させたと語った。しかしマタイは、彼の証言の中で[マルコの]この証言を正し、兵士たちはイエスに赤いローブを着せたと伝えた。実際のところ、イエスは最初は紫のローブに身を包んだのだが、紫は自分の色じゃないと見てすぐに赤いローブを頼み受け取った。それは彼の肌のトーンや髪の毛と目の色を生かすものだった。なので、マルコとマタイはどちらも正しかった。彼は赤い服が似合い、そのことを知っていたのだ。

これらの例は、イエスはとてつもなく裕福であることを私たちに確信させ、たくさんのお金を持つことは神があなたをより好んでいることを示しているという、富の福音の裕福な説教師の主張が完全に正しいのだという理由になります。就任式で祈りを捧げた説教師の二人(多分それより多く)は、トランプ氏と同じくらい目を見張る金持ちです。実際、神はこれまでになくあからさまに、神の恵みを統治の目的のために集結させたことを、トランプ氏と彼の閣僚を合わせた分の富が示してします。たくさんのアメリカにいる人、つまり我々のファビュラスで裕福な大統領の近くにいる人(第一に彼の愛する妻と子供たち、そしてより具体的には大統領自身)は今後数年にわたり財政的な祝福を分かちあうでしょう。人生の終わりには、トランプ氏はもちろん正当な報酬として天へと昇っていかれることでしょう。イエスが言うように、「富んでいるものが神の国に入るのは易しい」のです。

[注: 最後の一文についてはマルコ10:25やマタイ19:24を参照のこと。]